腎臓病外来
ご挨拶
腎臓というと、まず「尿を作っている臓器」と思われると思いますが、尿を作る以外にもとても大事な働きを担っています。
ホメオスターシスという体全体の恒常性を保つという大事な働きです。腎臓の機能が低下すると、さまざまなバランスがくずれてきて、血圧や体の水分量、酸塩基平衡はもとより、場合によっては貧血が進行する、骨がもろくなるなどの症状を引き起こすこともあります。
ただ、通常は自覚症状に乏しいことも腎臓疾患の特徴であり、「おしっこの時にすごく泡立つ」、「コーラのような色のおしっこが出た」、という症状だとたぶん腎臓疾患によるものですが、そういった目立つ症状よりも、尿検査(タンパク尿、血尿)血液検査(腎機能検査)での異常で、他科から相談を受けることが多い診療科です。
診療内容
CKD(慢性腎臓病:chronic kidney disease)という病気をご存知でしょうか。慢性という言葉が示す通り、数か月から数年にわたり徐々に腎機能が失われていく疾患で、今や新たな「国民病」とも言われています。
CKDの患者さんは約1480万人(20歳以上の約7人に1人)いると推計されています。初期段階では自覚症状はほとんどありません。CKDは生活習慣病との関連が深く、腎機能の低下が進むと治ることはなく、さまざまなリスク(脳卒中や心筋梗塞など)が生じることになります。
特に尿蛋白陽性の場合は注意が必要です。
放っておいて、もしどんどん進行してしまった場合は透析療法や腎臓移植を行わなければいけなくなる可能性があります。定期的な健康診断や血圧測定、尿検査をすることで早期発見につながります。
主な対象疾患
腎疾患のみを診ていくのではなく、患者さんそれぞれの全体像を見ながら腎機能に着目した治療内容のアドバイスを行っています。様々な疾患を多く持たれている患者さんはポリファーマシーという多種の薬物療法を受けられていることが多いので、腎機能を温存する観点が必要です。そういう見地に立った治療を心がけています。